サンフランシスコ紀行

サンフランシスコ市街
photographs courtesy Ross Taylor



No.17 ジェスチャーはおおげさに、意志ははっきりと・・・!

☆欧米人とのコミュニケーションをはかる上で一番重要なのは、ジェスチャー(身振り手振り)を始めとする表現力である。

ほとんど口先だけで会話する民族は、日本語を話す日本人だけであると言っても過言ではなく、ヨーロッパ人などは実にジェスチャーが表情豊かである。

日本でなら、例えば改まった場所で人に何かをプレゼントされた時、一応は礼を言い、時にはその場で開封することもあるが、一般的には、すぐさま中を開けて見ることは不作法にみられることが多い。

しかしアメリカ人は、人に何かをプレゼントされたとき、「こんなにステキなものをもらって、これほど嬉しいことはない! もう、思い残すことはない! いつ死んでもいい! さあ、殺せ、殺してくれーいっ!」というぐらいの喜びを表現する。

そうしないと相手に対して失礼なのではなく、相手に「あまり気に入らなかったのかしら、もっと他のが良かったのかしら・・・・」と心配させてしまうことを恐れるからである。

アメリカ人も相手に対する心配りはあるのだ。

あらぬ方向(前方ななめ45度の上空)に目をやり、飛び上がり、奇声を発し、最後に相手に抱きつくのが、アメリカでの正しい喜びの表現方法である。

そして、その場にフトンをひき、枕もとにクリスマスツリーを飾り付け、そっとプレゼントを抱きしめて、幸せそうな顔をしてスースー寝息をたてて眠り込んだなら、あなたは完璧100点満点、嬉しがりの鉄人である。

きっとプレゼントをくれた相手は感激して、更にあなたをマクドナルドへ連れていってくれるであろう。

日本人には一般に苦手なことであるが、間違っても「私は日本人だから大袈裟なジェスチャーなどしなくてもいいだろう。 相手は分かってくれるはずだ!」とは考えないことだ。

何故なら、それはこちらの事情であって、彼等には関係のないことだからである。

このことを忘れないことである。

次に重要なのは、自分の意志表示をはっきりと相手に伝えることである。

例えば、他人の家を訪問してお茶を出されたとき、

「わし、茶ーきらいや! コーラにしてくれへんか!? ついでにプリンもつけといてやーっ!」

・・・と日本で言ったなら、

「何ちゅう、あつかましいガキやっ! もう、帰れ! どアホ!!」

・・・と叱られてしまいそうだが、これがアメリカなら、

「この子は自分の意志をはっきり言える立派な子じゃ!」

・・・と褒めてもらえ、更にマクドナルドへ連れていってもらえるであろう。

文化の違いとはこのようなものであろう。

ある日、ママさんと近所のレンタルビデオ屋に行ったとき、私はこっそりとママさんの目を盗みアダルトビデオを物色していたのであるが、ママさんに見つかってしまい、「見たいの!?」と彼女に問いただされてしまった。

私は、勇気を出して「はいっ、見たいです!」とはっきり意志表示をした。

するとママさんは、私を正直なワシントンのような子であると賞賛して褒めてくれ、何とビデオを一本借りてくれたのである。

そうして、帰宅途中にマクドナルドへ連れていってくれたのであった・・・・。


To be continued!




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