サンフランシスコ紀行

アルカトラス島
photographs courtesy Ross Taylor



Vol.12 豊かな国、豊かな心

☆アメリカに来て嬉しかったことのひとつに、「着る物」と「履く物」とがあった。

私は身長185cmあり、いわゆるガッシリ型であったので、生まれてから今日に至るまで、自分の洋服や靴を選ぶのにたいそう苦労してきた。

ごく普通の一般の人とは違って、私の場合まず身体にあうことを確認した後でないと、そのデザインや色を選定することができないのである。

当然のことながら、大きめのサイズは種類が極端に限定されてしまうのである。

最近は日本においても量販店などで大きめのサイズは売られてはいるが、普通のサイズのものよりも値段が割高であったり、その種類も丈はあっても横幅がなく、横幅があっても丈が短いということも多かったのである。

ところがアメリカはどうだろう!?

私にとって、何でも着れるものがあったのである。

私は、生まれて初めてデザインやカラーで洋服を選ぶという幸福を、ここアメリカで手に入れたのだ。

こんなに嬉しいことはなかった。

アメリカでは、私の体型がだいたいの標準サイズである。

しかも、よほどの超特大サイズでもない限り値段は変わらないのである。

「何という良い国なんだ、アメリカは!」

私はつくづく感心してしまった。

ところでアメリカ人は、老いも若きも老若男女を問わず、だいたい派手めの色の洋服なんかを好んで着用している。

日本では、あまり派手な格好をすると、芸能人か遊び人か、あるいは不良かスジ者か大阪人に見られてしまったりするが、例えば人にもよるが、日本では普通のおとなしい格好であっても、それをアメリカ人が見ると、多分彼等の目には変に映るだろう。

その時の経験もあり、私は日本に帰ってきてからもなるべく明るい色の洋服を着用することにしている。

もちろん、たいていの服はアメリカの友人に送ってもらったり、アメリカの通販会社から取り寄せたりしている。

忘れてならないのは、アメリカではブランド品でもない限り値段が安いということである。

洋服に限らず、アメリカでは一般に衣食住にかかる費用は、日本でのそれよりも数倍安くあがるのである。

だからこそ、現在では日米の平均給与は余り差がないのに、彼等の方が豊かな生活をしているのだ。

「苛政は虎よりも猛し」というところであろうか!?

アメリカで知り合った日本人商社マンは私に言った。

「アメリカは物価、特に食料品がとても安い。 だからこそアメリカ人は心が広く豊かなんだ!」

なるほど、「衣食足りて礼節を知る」ということか。

日本も変えなきゃ駄目だなとつくづく思った・・・・・。


To be continued!




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