☆サンフランシスコ市内エリス・ストリートにニッコーホテルがあり、すぐ近所に小さな土産物店があった。私は偶然にその前を通りかかり、そして店内へと足を運び入れたのであるが、その店舗は日系アメリカ人の初老の女性により経営されていた。
私は、その婦人としばし日本のことや当地のことなどを話題に楽しく話し込んだ。
しかし、やがてその婦人は顔を曇らせ、重い口を開いて言った。
当地には日系人商工会議所なるものがあり、つい最近の会報に要注意情報として、何と日本人の女の子が要注意人物として掲載されたというのである。
そして、それは同じく当地のローカル新聞等のマスコミでも報道され、現地の日系アメリカ人の方々は非常に恥ずかしい思いをしたというのであった。
情報によれば、日本から短期語学留学にやってきたその女の子は、そのままサンフランシスコに住み着き、当地で一番治安の悪い所で、現地のならず者と同棲、今は強盗団(ギャング)の一員として活躍?しているとのことである。
とんでもない、と言うか勇ましい女の子もいたものだと感心していると、土産物店の婦人は更に続けて証言した。
それは、全ての日本の若い女の子や旅行者、それに留学生がそうでないにしても、アメリカでは日本人の女の子のことをイエローキャブと呼称しているとのことである。
イエローキャブとは、アメリカの大手タクシー会社のことで、その車体が黄色い色をしており、アメリカでなら方々で見かけるものである。
すなわち、イエローキャブ・・・・すぐ乗れるという意味である。
私は日本ではこの噂を耳にしたことはあるが、まさか現地の人に直接に聴こうとは夢にも思わなかった。
かわいそうなのは、日本から来た真面目な普通の女の子であろう。
なぜなら、現地の野郎に、常にそんな目で見られているからである。
私も婦人と同様に非常に恥ずかしく思った。
次の日、訪米以来最大の悲劇が私を襲うことになる・・・・・。
To be continued!