サンフランシスコ紀行

サンフランシスコ夜景
photographs courtesy Philip Greenspun



Vol.3 私は見た・・・・・・。

☆私が乗ったサンフランシスコ(SFO)発ロスアンゼルス(LAX)行きの飛行機は、昼過ぎには同市初の黒人市長の名を冠したトム・ブラッドレー国際空港に着いた。

手荷物を受け取った私は、早速ホテルへのチェックインまでの間、少し市内をバスにて観光することにした。

車窓から見えるアメリカの景色、現地の人には見慣れているであろう道も街路樹も家々も、そして目には見えない空気までもが私の目には新鮮な感動を与えた。

ふと目にしたガソリンスタンドの壁によりかかって座っていた乞食までもが、

「おおっ! アメリカの乞食だ!」

・・・と思わず歓声をあげるのを禁じ得なかったのである。

しばし異国情緒を楽しんでいた私ではあるが、ある瞬間に重大な事実に気がつき凍りついてしまった。

いないのである・・・・!

何がいないのか・・・・!?

道を歩いている人がいないのである!

何故だろう・・・・?

「分かった、治安である! アメリカは治安が悪いので、人々は道を歩かずに車に乗るのだ。 そういえば、ワンブロック先に行くにもタクシーに乗った方が良いという噂を小耳に挟んだことがある。 なるほど、やっぱりそうだったのか!」私はひとり納得した。

しかしながら、後で現地の人によくよく聴いてみると違っていた。

人々があまり道を歩かない理由、それは治安上の理由もさることながら、アメリカが発達した車社会だからである。

奈良県宇陀郡榛原町(どこやっ!)のように、ど田舎やから車でも持ってな自由がきかん、というのとは事情が違うのである。

とにかく広い!・・・・・・それがアメリカである。

気軽に近所のタバコ屋へタバコを買いに行ったり、夜中に腹が減ったので近所のローソンへカラアゲ君を買いに行ったり、小遣いがなくなったので近所の無人君に金を借りに行くというわけにはいかないのである。

可哀想なのは、自転車かあるいは徒歩しか移動手段のないアメリカの子供たちである。

彼らは同じ年代の日本の子供たちよりも、行動半径は極めて狭いものと思われる。

近所の友達と夜中の塾帰りに、セブンイレブンの前でたむろするというわけにはいかないのである。

もちろんHな本の自動販売機などもない。

さて話を元に戻して、私はバスでファーマーズマーケットという、日本流に言えばさしずめ大型屋台村ともいうべき場所を訪問し、そこで軽く食事を摂ることにした。

だが、そこでは異常な体験が私を待っていたのである・・・・・。


To be continued!




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